×

イベントサマリー

第29回丸亀市多職種連携研修会 ま~るの会

【テーマ】    在宅療養者の食べるを支える

       ~歯科診療のタイミングとケアのポイントを学ぼう~

【開催日時】

令和 6 年 12 月 13 日 ( 金 ) 19時~20時30分

【参加者】  94名

介護職9名、介護支援専門員(主任含む)13名、看護師16名、理学療法士3名、作業療法士3名、言語聴覚士1名、生活相談員1名、保健師3名、

MSW3名、社会福祉士2名、歯科衛生士1名、管理栄養士1名、薬剤師8名、医師 4名、歯科医師25名、その他1名

【講師】   歯科医師会:岩本 義博 先生 篠原歯科医院 院長

事例提供: 三谷 香代 先生 訪問看護ステーション ハル 所長

【概要】

高齢者にとって、食物を咀嚼摂取し栄養を摂り込むために、口腔から嚥下までの機能を保つことは重要な課題である。独居や高齢者世帯などの環

境面から、自力での受診が困難であったり躊躇するうちに、歯や歯茎の痛み、義歯の不具合等から食事摂取困難となり栄養不足に陥るような状況は

いつ起こるとも限らない。訪問診療の歯科医院を探すのに難渋した訪問看護師の事例報告後に、歯科医師の講義を聴いた。

講師は高齢者の歯周病と全身疾患との関連として、誤嚥性肺炎の起炎菌として歯周病細菌が多いことより、口腔細菌を減少させる『口腔ケア』の

重要性を述べられた。在宅訪問歯科医院の検索と手続きは、香川県歯科医師会のホームページにも紹介されている在宅歯科医療連携室へ電話かイン

ターネットで申し込むと、歯科医療機関を紹介してもらえる。丸亀市内にある在宅歯科連携室協力歯科医院(22施設)の情報提供もあった。

訪問歯科診療は歯や歯茎の痛み、義歯の不具合、専門家による口腔ケアなどの様々な治療対応が可能となっている。要介護高齢者への口腔ケアは、

【器質的口腔ケア】としてうがいや歯磨きによる汚れ(細菌叢)の除去、【機能的口腔ケア】として口の中や周囲のマッサージ、飲み込むための機能

トレーニングにより口腔機能の維持・向上を目指すケアがある。訪問歯科診療によって、歯科疾患重篤化予防や口腔の汚れによる二次的全身疾患の

予防につながる。

参加者からの事前質問にあった「義歯の着脱や保管方法」について、口腔内は咽頭側(奥)から口唇側(手前)に向けて拭く事、義歯は下側を入れ

てから上側の義歯を入れる。外す際は義歯の前歯の方から隙間を作って外す事など具体的な説明があった。また唾液腺マッサージや咀嚼訓練体操な

どの飲み込む機能を整える体操、食事の際の姿勢として、足底を床や足置きにきちんとつける事などが紹介された。

印象的だったのは、ユマニチュードという認知症高齢者への不安を和らげる関わりの紹介である。動画でのユマニチュード実施前後の患者の表情

は、実施前と比べ劇的に穏やかになり、目からウロコの情景が放映された。ケアを提供する前に一人の人として対象者と絆を結べるように関わる事

が、ケアをされる人とケアを提供する人の両方を満足へ導くと伝えられた。

研修会の感想には、「在宅医療機関と歯科との連携が高まることを期待する。」「口腔ケアの重要性が再認識できた。口腔ケアの大切さをもっと広め

たい。」「ユマニチュードの動画に驚かされた。」など前向きな感想が多く寄せられた。

 

 【アンケート結果】   参加者94名、 アンケート回答数84枚 アンケート回答率 89.3%

                                     

               

【研修への意見・感想】

口の中をきれいに保つことの大切さがわかりました。実践できるようにしたいです。
口腔ケアは大事なケアだが、後回しになる事がある。改めて大切さがわかったので他のスタッフにも共有しようと思います。
在宅療養の方には、口腔内のチェック、口腔ケアの指導を目的として訪問歯科を利用できればいいのかなと思い、とても参考になりました。
歯科の連携の重要性を感じました。口腔ケアでまず食後に観察することが第一歩と思いました。在宅歯科診療協力病院についても知ろうと思います。
口腔ケアは、大切だと理解できた。もっと認識されるべきと思いました。
訪問歯科診療がどのような事をしているのかが良くわかっていなかったのですが、今回知る事ができました。口腔内の感想で悩んでいる方も多いのでマッサージ法などを伝えていきます。
ユマニチュードの目線を合わす、触れるなど、日頃から心がける必要があると思いました。
ユマニチュードの事は知らなかったのでまた調べてみたいと思いました。