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丸亀市市民公開講座    イベントサマリー

認知症と共に暮らせるまちをめざして

~出会う・話す・つながる~ 

開催日 令和6年9月21日(土)

時間  13:30~15:30

講師 高知県立大学 社会福祉学部 教授  矢吹 知之 先生

研修参加者 101 名

講演テーマ: 認知症とともに暮らせるまちをめざして

~であう・話す・つながる~

概要:

認知症は誰もがなりうるものであり、多くの人にとって身近なものになっている。認知症になっても希望を持って暮らせるまちを目指すため、丸亀市の認知症を取り巻く状況と、認知症の人や家族の思いを知り、我がまち丸亀でどのようにして認知症とともに暮らしていけるのかを考える機会として、今回の市民公開講座は開催された。

丸亀市地域包括支援センターによると、令和6年の丸亀市の人口は11万9千人、そのうち65歳以上の高齢者は3万2,138人で高齢化率29%、高齢者の家族状況は、6割以上が「一人暮らし」や「夫婦のみ」の世帯である。また介護保険の認定者数も増加傾向で、要介護と認定された人の中で認知症高齢者の方の占める割合は55.8%となっている。

丸亀市では、認知症の進行に応じたサービスや社会資源を提供し、認知症の方等の居場所として認知症カフェ(にじいろカフェ)を開催している。「にじいろカフェ城南」と「わたしの居場所~まるちゃん~」を主宰している合田美貴子さんは、60歳代で認知症を発症されたご主人がどうしたら楽しく暮らせるのかを考え、色々な人と話せる場として「にじいろカフェ城南」を開設した。そこでは認知症の人だけでなく色々な立場の人が集い、語りあえる場となっている。また、「わたしの居場所~まるちゃん~」は認知症の方とそのご家族が、これから実現したいこと等を話し合ったり、家族同士で介護の悩みを共有できる場であり、その重要性を訴えた。

矢吹先生は、2012年には15.0%であった認知症有病率は、2022年の調査では12.3%となった調査結果を示しながら、認知症有病率低下の理由として、喫煙率の低下、中年期~高齢早期の生活習慣病管理の改善、健康意識の変化により認知機能の進行が抑制されたと説明された。認知症になっても穏やかに過ごせる人はたくさんいて、その関わり方と周囲の理解が影響していることがわかってきたと言及された。認知症診断直後の支援で大切な事は、認知症と言われたことで起きる、自尊感情・自己効力感の低下に対しての対応である。周囲からの「認知症になったら何もできないだろう。」「あの人は認知症なのに頑張っている。」という善意による偏見が本人や家族に向けられ、誰にも相談せず孤独に苦しむ。しかしそれを和らげ、一緒に心配してくれる人がいることで不安や絶望を和らげ、前向きに生きるための始まりとする事ができる。認知症とともに希望を持って生きるという『新しい認知症観』が地域に根付く事は誰もを暮らしやすくする。私たち誰もが当事者という視点で、偏見のない認知症の理解を広げることが重要である。早期発見(受診)、早期診断から認知症カフェなどの集いの場への参加が、~であう・話す・つながる~となり、認知症になっても大丈夫と言える地域に近づくのではないだろうか。私たちに何ができるかを考え実行したい。

 

アンケート結果

参加者101名  アンケート回答75名 アンケート回答率74.2%

1.参加者年齢層

 

2.認知症を知っていましたか。

 

3.認知症の人に接したことがありますか。

 

4.講座の満足度

5.講演内容で印象に残った事、感想

年齢層 感想
20歳代 絵を見て何に見えるかとの演習で、周りは見えているけど自分は解らない。何でなんでわからないのかなと思う感情が、認知症本人の思う感情に近いという話が印象的だった。認知症をカムフラージュするために人との関りを避ける。弱くなった部分を惜しむのでなく、受容しながら穏やかに緩やかに老いて行けるようサポートしていけたらと思った。
30歳代 認知症の体験をしてくれたのが良かった。
40歳代 わかり易く、認知症の人の気持ちを体験した上で考える貴重な話だった。社会を変えていく、変わっていく、そんな希望を持てる気持ちになりました。ありがとうございます。
40歳代 92才のおばあちゃんと二人暮らしをしている。今日の話を聴いて安心して、おばあちゃんが認知症になっても受け入れられる気がした。自分を犠牲にしないでサービスも上手く利用してみたら良いと思った。
50歳代 母が認知症で、接し方について悩んでいたので社会資源を増やして認知症カフェで家族の方とも話ができれば、何かヒントが得られると思いました。
60歳代 認知症の人がどのように感じているのかわかり易く話して下さり、もっと早くわかっていたら母に接する時も優しく出来たとおもいます。理解することはとても大事だと思いました。
60歳代 年齢の近いひとが認知症になると身近な問題になる。感情を読み取ることを聞いて勉強になった。
60歳代 先生のお話が、例題と言いつつ話して頂き理解し易かったです。認知症の人に否定することは良い点はなし。認知症の原因により対応も多様であると知りました。
60歳代 丸亀市のにじいろカフェの通いの場に、思った以上に参加者が多いのだと知って、その場の雰囲気作りも良いのだと思います。我が町にもこんなコミュニティが広がったらいいと思いました。
70歳代 家族の方(合田さん)のお話が印象的でした。しかし友人や近くに相談できる場所がある人はいいけど、、、と思いました。認知症の現状や、脳の働きについてが良くわかりました。カップルの写真がわからなかったのが残念でした。
60歳代 認知症の方との関わり方。まずは相談、社会資源を知って行く事。周りが変わる事、一緒に考えつながる事。
60歳代 否定をしてはいけないと言う事がわかった。
60歳代 認知症の方を決めつけるのでなく認め合い受け入れる事。自分がなってもそうして欲しいものである。
70歳代 合田さんが「ご主人から元気をもらっている」と聞き、なるほどと思いました。誰かに打ち明け、一人で抱え込まない。助けて貰いながら、自分も倒れないようにするという事。やさしく寄り添えあえる人に近づきたいと思いました。
70歳代 認知症の人を変えるのでなく、私たちが変わる。認知症というあいまいさを支える。自分ができる事をする。
70歳代 認知症、誰にもある病気のひとつだと思います。コミュニケーションの大切さ、人には優しく言えるように、私にもできる
70歳代 無知による・経験からくる・善意による偏見浸み込む様に無くしていく。私はまだまだ偏見だらけだけど赤ちゃんが見えなかった時、認知症の人ってこんなの?とガツンと来ました。とっても不安でした。
80歳代 帰って今日の内容を主人に話したい。他人事ではない、これからの事を話したいです。
80歳代 大変勉強になりました。自分の事、家族の事を考えようと気づきました。

 

5.動画YouTube配信について

令和6年10月16日17時から11月6日まで配信します。

以下の画面から入ってください。