イベントサマリー
在宅医療出前講座
会場:丸亀市土器コミュニティーセンター
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
令和5年8月31日 13:30~15:30
『そこが知りたい在宅医療
~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~』
【プログラム】
講話「そこが知りたい在宅医療」丸亀市医師会副会長 岸本裕司先生
「人生の最期・看取りについて」まるがめ訪問看護ステーション所長 小野雪絵先生
グループ討議 「あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか」
(ファシリテーター)
医師2名、地域包括支援センター職員5名、在宅医療介護支援センター相談員1名
(対象者:地域住民)
参加人数21名
参加者属性:性別 男性1名、女性20名
年齢層 50代2名(10.5%)、60代2名(10.5%)
70代11名(58%)、80代 4名(21%) 不明2名
【講話のまとめ】
<そこが知りたい在宅医療>
人生の最期の時を迎えるまでの過程は、がん、臓器不全、認知症・老衰など疾患経過の面からも様々である。第8期介護保険アンケートの結果では、人生の最期をどこで迎えたいかという問いに対し46.4%の人が自宅を希望し、住み慣れた場所での暮らしを望む人が多い。しかし丸亀市民を対象とした調査で、実際に最期の看取りをされた場所としては病院が64.1%、診療所6.8%、老人保健施設5.5%を占め、自宅で亡くなった人は12.6%という結果であった。最近では、人口減少と少子高齢化、核家族化に伴い、高齢者世帯も夫婦のみの世帯や独居の世帯が増えている。住み馴れた自宅で最期まで暮らすには、病状の悪化等により通院が困難になる事を踏まえると、必要な医療やケアを自分や家族だけで賄うのでなく、訪問診療・往診、訪問看護、介護、リハビリなど、状態に合わせた生活支援や医療ケア、急変時対応の準備や、24時間対応の相談窓口の備え等が必要であると報告されている。在宅医療とは通院困難時に医師や看護師が自宅などへ訪問して、診察・治療・健康管理をおこなう事を言う。病気や障害があっても、住み慣れた場所で暮らせるように医療介護の専門職が支援する仕組みである。既に多職種でケア提供や福祉器具の調整など在宅療養を支えるシステムは地域に浸透している。在宅医療は住み慣れた自宅で暮らし続けるための選択肢の一つである。一人ひとりが、自己の望む人生の最終段階を含めた暮らしづくりを普段からイメージし語らう場を持っていただけたら幸いである。
<人生の最期・看取りについて>
まるがめ訪問看護ステーションの利用者の転帰は、治療のため病院へ入院する人と同等に、自宅での看取りを迎える人が多くなっている。急性期病院で治療を受け、合併症や麻痺、疼痛など症状をコントロールしながら在宅療養を継続するために、デイサービス、訪問診療、訪問看護、薬剤師訪問や、福祉機器のレンタルなど、介護保険によるサービス担当者会議などにより各業種が連携しサービスを提供する。看護ケアも体調管理、排便管理(摘便・浣腸)、家族の相談対応など、困ったところに配慮し24時間いつでも相談できる体制をとり活動している。在宅での療養看取りを希望する利用者は増える事が予想される。今後も多職種で連携し、利用者一人ひとりに適した訪問看護を提供していきたい。
【グループ討議の結果内容】
参加者は70歳代の方が57.8%、80歳代21%と多く、他には50歳代10.5%60歳代10.5%で、既に配偶者や、舅・姑の介護をしていたり、自身が慢性疾患にかかり医療介護の支援を受けている人、数年前に夫を看取り現在独居のため毎日の過ごし方に苦慮している方など様々な背景を持ちながら参加していることがわかった。『人生最期の看取りについて自分はどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか』についての意見は、やはり「できるだけ家族に迷惑にならないように自宅で暮らしたい。」と言う意見を持つ人が多かった。また、住み慣れた場所での暮らしを継続するために、ファシリテーターとして討議に関わった医師からは普段から身体面、精神面の事など遠慮なくかかりつけ医師や看護師、家族に相談する事が自身の人生の最終段階を見据えた療養の場所づくりに繋がると説明された。暮らし方についても地域包括支援センターのケアマネジャーや相談員が気軽に相談相手になってくれる事が伝えられた。どの人も笑顔で活発に意見を言い合い、共感したりたたえ合いながらなごやかに会を終える事ができた。
【感想】
「色々な人の声が聞けて良かった。」「皆さん家族のためにがんばっているのが解りました。」「不安がないとは言えないけど困った時は、
地域包括って相談できるんやなぁ。」などの感想が寄せられた。
【アンケート結果】