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令和5年度、香川県地域包括ケアシステム学会が運営する「地域包括ケア部会」は香川県からの委託を受け、「チームオレンジ設立支援事業」を展開しました。
チームオレンジとは、近隣の認知症サポーターがチームを組み、認知症の人や家族に対する生活面を早期から支援する取り組みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

厚生労働省はチームオレンジに三つの基本的条件を設定しており、①ステップアップ講座を修了したサポーターでチームが組まれていること②認知症の人もチームの一員として参加していること③認知症の人と家族の困りごとを早期から継続して支援ができること、を挙げています。
認知症施策推進大綱では、2025(令和7)年までに、全市町村で、認知症の本人・家族とチームオレンジの支援を繋ぐ仕組みを整備することを目標としており、認知症サポーターに関しては90分の講習を受けることで認定されることから、各種の事業所や団体単位で養成が進み、香川県全体では123,953人(令和5年3月)を数えていますが、チームオレンジ設立に必要となるステップアップ講座開催のハードルが高く、令和2年度の調査では、香川県内のチームオレンジは3チーム(28人)が結成されているのみでした。これでも四国では徳島と並んで最多であり、このことは全国的にも大きな課題となっています。

そこで、ステップアップ講座で利用する香川県の特性を考慮した資料作りを行うとともに、各市町のチームオレンジ設立を支援する「チームオレンジ設立支援チーム」を結成することとなりました。
高松市医師会理事、中村光夫先生をリーダーに、24名の多職種メンバーからなるワーキンググループを結成し事業へ取り組み、下記内容について成果を上げました。
今後、香川県内で多くのステップアップ講座が開催され、活発なチームオレンジの輪が香川県中に花開くことを期待されます。

 

 

 

 

 

 

 

■事業実施内容・成果
下記に報告書を掲載いたします。事業成果についてはこちらをご覧ください。

★チームオレンジ事業報告書

 

〇ワーキンググループ(WG)開催:WG を計6 回開催した。ステップアップ講座の研修資料の作成方針として、疾患としての認知症の医学的な説明に加えて、認知症の人の気持ちの理解と接し方、認知症の予防を分かりやすく解説すること、香川県の特性を生かした内容とすることになった。

〇認知症サポーターステップアップ講座用の研修資料作成:8 つのテーマについて、それぞれ30 分間の講演となる研修資料をWG 構成員で分担して作成した。①認知症の基礎知識、②認知症の人の気持ちを理解する、③栄養・歯と口、④難聴と認知症、⑤運動と認知症、⑥社会参加・対人交流・認知トレーニング、⑦成年後見制度・意思決定支援、⑧チームオレンジ活動事例。

〇市町向け説明会:市町の地域包括支援センターの担当者に事業内容を説明し、モデル事業への参加を呼びかけかけたところ、5 市6 町から参加の希望があった。

〇デモ講演:市町から希望があったテーマで、5 市6 町13 か所でデモ講演を実施した。講師からの報告書、参加者および地域包括支援センタースタッフのアンケート結果を踏まえ、研修資料を一部修正し、決定稿とした。

〇「チームオレンジ設立支援チーム」結成:本事業WG メンバーによりチームオレンジ設立支援チームを結成した。相談窓口は、令和3~4 年度県委託事業で開設した通いの場を支援する「多職種連携市町支援チーム」(ホームページ公開)、または学会事務局とした。