*図1:綾歌地区医師会ロゴマーク
綾歌地区医師会は地域包括ケアシステムを構築する上で、特に重要となる認知症対策に着目し、行政と連携しながら取り組んできました。
*図2(写真1):認知症・在宅ケア推進研修会にて(2020.1.29撮影)
平成26年7月より綾川町と認知症ケアパス作成(図3-1)について「認知症ケアパス作成委員会」で協議を始め、その中で地区内の医療機関をつなぐ認知症ケア医療連携フロー図(図3-2)や、かかりつけ医と認知症サポート医のスムーズな連携のための医療連携シートを作成しました。これらをきっかけとして、認知症サポート医による相談も開始されました。
その後、認知症ケアパス作成委員会の発展形として「認知症対策委員会」が立ち上がり行政との継続的な協議の場ができました。そこでは認知症初期把握シート(図3-3)を作成し、本人がチェックすることで早期診断につながるようにしました。
*図3:認知症ケアパス・認知症ケア医療連携フロー図・認知症初期把握シート
平成28年度からは年度ごとにテーマを設けながら、「認知症対策研修会」として、事例検討を中心とした多職種研修会や講演会を行ってきました。平成28年度のテーマ「情報の共有化と顔の見える関係の構築」、平成29年度のテーマは「認知症本人のニーズを起点としたアプローチ」でした。
平成30年1月に在宅医療介護連携支援センターが綾川町と丸亀市の委託を受けて、医師会に設置されてからは、地域の医療・介護連携に関する相談支援を行う一方、これまでを引き継ぐ形で「認知症・在宅ケア推進研修会」として研修会を継続しています。平成30年度のテーマは「本人の意思を尊重する意思決定を考える」、令和元年度のテーマは「本人の意思を尊重する意思決定を深める」としました。
*図4(写真2):在宅医療介護連携支援センター(2018.7.10撮影)
*図5(写真3):認知症・在宅ケア推進研修会の様子(2019.3.4撮影)
テーマの変遷に見られるように最初はお互いに「顔の見える関係」を作ることから始め、徐々に本人の視点を重視した認知症ケアを深める内容となっています。これらの活動や研修会の中で、認知症ケアにおいて医療と介護の連携はもとより、それを支える地域の重要性を再認、令和元年6月に出された国の認知症施策推進大綱をなぞらえるように、認知症を含む高齢者の本人発信支援の重要性を確認できました。
*図6(写真4):もしバナゲームの様子(2019.6.26撮影)
また、令和元年度より、住民向けに認知症、在宅医療、ACP等を内容とする医師による出張講座「よっしゃ、町医者セミナー」を開始しています。これは地区内の公民館やコミュニティセンターにその地区の地元の医師が出向き、講演などを中心に意識啓発を行うものです。地区内の9名の医師で役割分担し13地区での実施予定でしたが2地区については新型コロナのため中止となり11か所での実施となりました。
*図7(写真5):よっしゃ、町医者セミナーの様子(2020.1.16撮影)
コロナ禍により、様々な研修会や会合が行えず、今まで築いてきた顔の見える関係継続のため、今までの研修会もwebを利用してライブで行う方向に変えています。また、感染予防に留意しながら、現実の委員会を回数制限をして開催しています。この時期、医師会が主導を取らねばならないケースが多くなることが予想され、行政と医師会が両輪となって新しい地域づくりのために歩むことで、今後も綾歌地区ならではの地域包括ケアシステムを構築していきたいと思います。
<問い合わせ先>一般社団法人綾歌地区医師会所在地 〒761-2305 香川県綾歌郡綾川町滝宮220番地1連絡先 TEL:087-876-5300 FAX:087-876-5301Email info@ayauta-med.or.jpホームページ https://ayauta-med.or.jp |