在宅医療出前講座会場:丸亀市城乾コミュニティーセンター
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
令和6年2月29日 13:30~15:30
テーマ『そこが知りたい在宅医療~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~』
【プログラム】
講話「そこが知りたい在宅医療」丸亀市医師会 小野 志磨人先生
「人生の最期・看取りについて」まるがめ訪問看護ステーション所長 小野雪絵先生
グループ討議 「あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか」
(ファシリテーター)医師3名、地域包括支援センター職員2名、在宅医療介護支援センター相談員1名
(対象者:地域住民)参加人数16名
参加者属性:性別 男性1名、女性15名
年齢層 50歳代未満1名、50歳代2名、60歳代3名、70代3名、80代4名、不明2名
無回答2名
アンケート回答数 14名 回答率88%
【講話のまとめ】
<そこが知りたい在宅医療>人口減少と少子高齢化、核家族化に伴い、高齢者世帯で夫婦のみの世帯や独居の世帯が増えている。住み馴れた自宅で最期まで暮らすために、医療やケアをどのように賄うかを考える必要がある。誰しも皆一度は死を迎える時が来る。医療や介護を自分や家族だけで賄うのでなく、訪問診療・往診、訪問看護、介護、リハビリなど、状態に合わせた生活支援や医療ケア、急変時対応の準備や、24時間対応の相談窓口の備え等が必要になる事を視野に入れる必要がある。その為にかかりつけ医や地域包括センターや民生委員など身近な地域の人と繋がりを持つことが第一歩である。
<人生の最期・看取りについて>自らが望む人生の最終段階の医療・ケアについて話し合う事はアドバンスケアプランニングと呼ばれ、それを話し合う場は人生会議と呼ばれる。人生会議は、自分のここから先の暮らしをどのようにしていくのか、医療や介護が必要になった際にはどう暮らしていくのか考える機会である。訪問看護は「こんな病気を持っているんだけど、自宅で暮らしたいの。」という方の心身の状態を受け止め、寄り添ったケアをしてくれる。そして介護やリハビリなどの専門職も訪問でケアを受けることができる。自己の望む人生の幕引きへの暮らしをイメージし準備することは意義のある事である。
【グループ討議の結果内容】
今回は、50歳未満から80歳代の各年代の方が3,4人づつ参加され、各年代の方の声を伺う事ができた。50歳代の方は若いながらも姑の介護をしていたり、80歳代でがんの手術を2度も経験したにも拘らず、「できるうちは何でも自分でしながら生きたいんや。」と話され、これまでの経験が自信につながっているのかとその自立心にとても感銘を受けた。『人生最期の看取りについて自分はどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか』については、「少しでも永く、家族に迷惑を掛けないように自宅で自立して暮らしたい。」という意見が多かった。また「家族には少しでも、苦痛のないようにしてあげたい。そのためには訪問看護や介護が利用できるんですね。知らなかったです。」という意見も聴いた。最近は一世帯の人数が少ない家庭が増えて来ているが、別世帯でも家族間の思いやりの心は、しっかりと根付いていると感じた。また「認知症になってもご近所に知られたくない。」という率直な声もあったが、地域包括センターを中心として、認知症対策としてのカフェ活動など、認知症があっても地域で孤立しないよう社会に繋がれる場所が創られている。
グループ討議の中で、地域包括センターのパンフレットを見てもらい、どんな時に相談するのかを話し合い、またエンディングノート(もしもノート)の内容や、その内容は一旦記載しても定期的に見直して書き直して良い事を共通理解した。参加者からは「このノートがあると便利だわ。」という感想をいただいた。医師からは普段からかかりつけ医師や看護師、家族に相談する事が、療養の場所づくりに繋がると説明された。どの人も笑顔で活発に意見を言い合い、共感したりたたえ合いながらなごやかに会を終える事ができた。
【アンケート結果】
1.かかりつけ医がいますか ①はい 10名 ②いいえ 4名
2.在宅医療について (理解度)
①よく理解できた 9名
②少し理解できた 5名
③あまり理解できなかった 0名
④全く理解できなかった 0名
3.人生の最期をどうすか、イメージできましたか?
①よくできた 4名
②少しできた 9名
③あまりできない 1名
④全くできない 0名
4.在宅医療に対する不安はどうですか?
①不安がなくなった 2名
②不安がすくなくなった 11名
③不安は変わらない 1名
④不安が大きくなった 0名
5.感想
・50歳代 女性 今後の私の人生が心豊かに後悔無く過ごせるようになれる話と知識を得る事が出来た。
これからも、こういう会があれば参加したい。
・60歳代 女性 私より年上の女性がしっかりと意見を話すのを聴いて感心しました。
自分の事をしっかり伝えられるよう、もしもノートを使いたい。
・60歳代 女性 自分の事を考える機会が出来た。認知症の先生が見つかって良かった。
・70歳代 女性 動けるうちはなるべく自宅で過ごし、動けなくなると在宅医療から病院などを考えたい。
・80歳代 女性 これから先の事が、気が楽になりました。